写真家・幡野広志さんの著書『なんで僕に聞くんだろう。』を読了しました。最高によかったです。いろいろな人生相談への返事として書かれた幡野さんの文章の中で、とくに心に残ったところを抜粋して紹介したいと思います。
「どんな人がコミュニケーション能力が高いかというと、ぼくは、知らないことについてちゃんと知らないといえる人や、相手の言葉に耳を傾けられる人だと思っています。やっぱりそういう人と会話していると、気持ちがいいものです。」
「目的地に行くことが旅ではありません。出発地から乗り物に乗って、出会った景色や食べたご飯、感じたこと、無事に帰宅するまでを描いた線が旅なんです。だからおなじ目的地でも、まいかい違う旅になります。」
「穏やかな人生を送ることというのは、心のありかたや、考えかた次第だとおもうよ。あなたが波乱万丈だとおもえば、波乱万丈だし、穏やかだとおもえば穏やかです。気楽に生きようとおもえば、気楽です。誰かの価値観で決めることではありません。どっちがいい人生かあなたが選べばいいの。」
「これはぼくの経験によってできたぼくの考えですけど、必要以上のお金を貯金してもあまり意味がないとおもっています。お金は使ってこそ意味があるとおもっています。美味しいものを食べたり、いきたい場所にいったり、ほしいものを手にいれたり、学びたいことを学んだり、お金を使うことは体験を得ることです。お金を使うことは悪いことでもなんでもありません、とてもたのしいことです。」
「子どもが選ぶべきことを親が選んでしまうと、子どもが大人に成長したときに自分で選ぶことも自分で考える力も培われず、失敗を恐れて行動しない、好きなことや自分がやりたいこともわからなくなってしまう大人になります。」
「あまり好きな言葉ではないのですが、『闘病』という言葉があります。たしかに便宜上つかいやすいし、この言葉を支えにして戦闘中のかたもいるので、あまりいいたくはないのですが、闘いにされてしまうと、勝つか負けるかのどちらかになってしまうような気がして好きじゃないんです。」
「ぼくは自分の人生を悲観しているわけでも、人生をあきらめているわけでもありません。正確な情報を受け止めて最悪の想定をしつつ、最善を尽くすということをしているだけです。1%の奇跡なんて期待しません、それよりも99%の通常をぼくは重要視します。」



