堀江貴文さんの『逆転の仕事論』という本の中で紹介される8人のイノベーターの1人・書道家の武田双雲さんの話がすごくよかったので、抜粋して紹介したいと思います。
武田双雲さんはNTTの営業マンを経て、今は書道家として活躍されている方です。
「今だけに集中する」ってすごく大切なことだと感じました。
あと、双雲さんのご両親が感動屋さんだったという話が心に残りました。素敵なご両親です。
★注意力散漫なんだけど、ミスの回数と同じぐらい、一種のフロー状態というか〝ゾーン〟に入る瞬間が、たくさんあります。そんな人生ですが、ことごとく全部、いろんな事がうまくいきます。 人間関係のトラブルもない。人が言うところの「問題」という事態に、直面したことがありません。もしかしたら、人生そのものがイノベーションかもしれない。世間の一般的な価値観では、何かに向かって山を登り頂上まで行った人が成功者だと、とらえられています。でも僕自身は、山を一切登らない。走らないし競争もしない。その瞬間、瞬間を生き切ることに集中しています。すると何もかもが、うまくいく。
★毎日、瞬間、瞬間を楽しんでいます。気持ちの良いことが、勝手に湧き上がってくる。そこに従っていると〝ゾーン〟状態がやってきます。 その〝ゾーン〟の密度が最も高いのが、書道です。〝ゾーン〟の中は超安定した状態で、感動と感謝だけが起こっています。そこに入ると、自然と何もかもがうまくいきます。
★達成を目指すというのは、「いまは達成されていない」という、現在の否定を導きかねません。未来には、いいことがある。そう思って努力するのは悪いことではないのですが、「未来」の方が上で、「いま」が下になってしまうのは、もったいないです。
★多くの人は「未来」に希望を抱きすぎです。大事なのは「いま」です。「未来」よりも優位なのは、この瞬間。
★僕はNTT時代、法人営業を手がけていました。問題らしい問題に直面した記憶はありません。営業中は、江の島をぷらぷら散歩していることが多かったです。散歩は、僕には最高の〝ゾーン〟でした。 江の島の気持ちいい潮風に吹かれながら、海と緑をのんびり見ていると「この気持ち良さをお客さんと共有したい」とか、「どんなことで喜んでもらえるかな」と、ワクワクした思いが湧いてきます。江の島でワクワクしていると、大きな案件が自然と舞いこんできました。僕は喜ぶのが大好きです。そして周りにも喜んでもらいたい。書道をはじめ、いろんな仕事をさせてもらっています。欲しいのは達成感ではありません。純粋に、人からの感動を求めています。
★両親の影響が大きいと思います。両親ともすごい感動屋さんで、リアクション王でした。僕を天才、天才だと褒めてくれました。小学校の時に、「車の渋滞は、どこから始まるの?」って聞いたら、父親が急に涙ぐんで「お前はすごい、他の子と視点が違う!」と感動してくれました。
★人見知りとか緊張は、相手からどう思われるか、ミスしたらバカにされないか、という不安から生じています。つまり「他人」にコントロールされている状態です。僕にはそれがない。 他人によって態度や気持ちが変えられるなんて、面倒でしょう。
★機嫌は、自分で決めること。人にコントロールされるのは、避けたいものです。
★社会は、豊かじゃないですか。すでにハッピーで溢れている。不足なものは、ないです。なのにみんな何を増やしたがっているんでしょう?もう充分に足りているのに、何かを足し続けようとするから、イライラが募るんだと思います。
★増やして成長していかないと、いつか全部なくすんだという、意味の分からない恐怖心に、みんなコントロールされているように感じます。
★僕は野心みたいなものはありません。子どもの頃から宇宙が大好きで、物事は宇宙規模で考えています。いくつも本を出したり、講演会で話をさせてもらって、「双雲さんの話は大きいね」とか「大志に燃えてるね」と言われます。だけど宇宙の時間軸で考えたら、僕のビジョンなんて、そんな大きなものではありません。むしろリアルに近いはず。僕が大きいのではなくて、みんなが小さすぎるだけでしょう。
★現代人は、夢の描き方がものすごい下手です。抽象的な言い方ですが、もっと四次元、五次元的に意識をとらえないといけません。 具体的には、感情マネジメントです。目に見えるものの幸福度ではなく、目に見えない幸福度にフォーカスすること。例えば「ありがとう」と言える関係を、できるだけ増やしてみる。それだけで感情の安定は増して、上機嫌は高まります。ものとか数字とかは三次元の世界の話。そこから意識を上げてみて、四次元以上の波動に、目を向けることが大事です。
★勝たなくても大丈夫。走らなくても大丈夫。必要なエレメントはもう全部、ここにあるという認識を持つこと。そこから本当の「大きな夢」が生まれてきます。
★これからは物質を奪い合う方法ではなく、感情のマネジメントが求められる時代になるでしょう。僕の拠点である江の島でも、湘南スタイルを楽しむ人たちが増えてきました。ご近所の方は、「いい波が来たから休みます」とか「バリへ旅してきます」と、気軽に仕事を離れています。そうすることで感情の安定度を高く保てて、いい仕事もできます。
★皮肉ですが、真剣に闘えば闘うほど、闘い続ける無意味さも知ることになる。勝ち続けているような人ほど、実は闘いの限界を見ています。闘いのメソッドに本当の価値はありません。 世間的に勝者の側にいる人は、この事実を認めたくないだろうし、厳しく批判するでしょうが、それは疲れ果てていることの裏返しです。僕の話は、資本主義社会にはそぐわない。何も努力しないのに勝手に成功を呼び寄せるという。それは従来の価値観というか、システムを覆すものでしょう。でも、本当なんです。感情のマネジメントに意識を集中して生きていると、本当に困った問題は起きづらいのです。
★僕は目標を設定して何々を進めていくという、逆算方式を取っていません。だからうまくいかず悶々としたりしません。怒らずにスーパーサイヤ人になれるというか、自分のコントロールで〝ゾーン〟を作り出せます。ある意味、「無敵」状態をキープしています。
★人間関係って、ほとんど空気感で決まりますよね。例えばドライブ旅行で渋滞に遭ったとしても、車の中が学生時代からの親友ばかりだったら、音楽を聴いたり景色を楽しんだり、渋滞ラッキー!というぐらい楽しめますよね。旅先で財布を落としても、コケてケガをしても、何やってんだ!とゲラゲラ笑えます。 ストレスを避けるのに、人格を整える必要はありません。自分の周りを親友同士の空気感に設定するだけでいい。
★上機嫌でいる空気感作りにプラスして、感謝と貢献の気持ちを振りかけると、本当に奇跡みたいに、いいことばかり起きます。
