【本】奥村歩著『その「もの忘れ」はスマホ認知症だった』

脳神経外科医の奥村歩さんが書いた『その「もの忘れ」はスマホ認知症だった』という本を読みました。

奥村さんは、朝から晩まで忙しく、少しでも時間があればスマホを取り出すような日々を送っている人は、スマホ依存症になっている可能性があると言います。そしてスマホ依存症になると、大きく2つの問題があると言います。

1つ目は、日々無分別にたくさんの情報を取り込んで、自分の脳の中を不必要な情報だらけにしてしまっているので、自分にとってどの情報が大切なのかを見失ってしまうということです。また、スマホ依存症の人はインプットした情報をため込んで、その情報を役立ててない傾向が目立つようです。インプットした情報をアウトプットしながら整理していかないと、脳のコンディションが不健康な状態になり、記憶力、思考力、判断力、集中力、感情コントロール力などの脳の働きが低下してしまうようです。

2つ目は、睡眠障害です。スマホ依存症の人は、例外なく夜遅くまでスマホをやっていて、「なかなか寝つけない」「眠りが浅くて夜中に目が覚める」などの睡眠トラブルを抱えているようです。これは、スマホの強い光によって、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられてしまうからです。そして睡眠が不足すると、本来睡眠中に行われる脳内のメンテナンス作業が十分に行われないので、疲労が累積して脳は力を出せなくなります。

この本を読んでいちばん大きかった気づきは、「ボーッとすることは良いこと」だということです。脳には「何もせずにボーッとしているときに、自動的に稼働するネットワーク」である「デフォルトモード・ネットワーク」という機能があり、この機能が脳の健康のためにはとても大切だということでした。ある研究では、デフォルトモード・ネットワークを稼働させてぼんやりしているときの脳内では、活動時の15倍ものエネルギーが消費されていて、じつは仕事をしたり勉強したり誰かと話したりといった「活動時間」よりも、「ぼんやりしている時間」の方が脳にとって重要だったということが分かっています。そしてスマホが、この大切なデフォルトモード・ネットワークの稼働を妨げているということに、著者の奥村さんは警鐘を鳴らしています。

これからは「ぼんやりする時間」を大切にし、夜寝る前の1時間はスマホの使用を控え、情報はアウトプットを前提として必要なものだけインプットしていきたいと思います。

10万人の脳を診断した脳神経外科医が教える その「もの忘れ」はスマホ認知症だった (青春新書インテリジェンス)