苫米地英人さんの『「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!』という本を読みました。
特に実践していきたいと思ったのは、
①自分のモノサシを持って生きる
②感情は娯楽だと俯瞰して捉える
③ゴールを現状の外に設定する
の3つです。それぞれ、抜粋して紹介したいと思います。
①自分のモノサシを持って生きる
★私たちは始終、外部からの価値観、モノサシの刷り込みにさらされています。つまり、自分自身の価値観だと思い込んでいるものが、実は他者から刷り込まれた価値観であり、自分のモノサシで生きていると思いながら、本当は他人から与えられたモノサシで生きている。それがあなたの真の姿なのです。その結果はどうでしょうか。学歴が大事と刷り込まれ、いい大学に入って大きな会社に入ることが大事だと思い込んできて、見事、一流大学、一流企業に入ったものの、モヤモヤしながら生きている人のなんと多いことでしょう!なんとなく満たされない。なんとなく不安。大事な何かが欠けている。生きている充実感がない。そんな頭のモヤモヤの要因の一つは「他人のモノサシで生きていること」です。頭がいつも曇っているのは、あなたというかけがえのない「自分」の中身を、他人のモノサシでいっぱいにしているからです。頭をクリアにしたいなら、他人のモノサシというゴミを捨てねばなりません。
★頭のモヤモヤを消したかったら、集中力や思考力を高めたかったら、他人から与えられたモノサシを捨てることです。頭に詰め込まれた「他人」が、あなたの本来のエネルギーと能力をブロックしているのです。他人のモノサシに頼らないこと。自分の価値観で生きること。そして、自分が本当に欲しいもの、自分が本当に理想とする姿を知ること。そのゴールに向かって、自分が本当にやりたいことをやって生きていくこと。頭のゴミを根こそぎ掃除するためには、それ以外に方法はありません。ほかの方法はすべて対症療法。一時的に気分が晴れてもすぐに元の木阿弥です。
★あなたは自分なりのモノサシで自分の価値を計ればよい。自分のモノサシで自分の仕事ぶりを評価し、自分のモノサシでワークライフバランスを計り、自分のモノサシで自分の働き方・生き方を決めていけばいいのです。世間は何事も数値化して比較するのが大好きです。平均年収だとか、会社別の年収ランキングだとか、結婚適齢期だとか……。すべては社会のゴミのようなモノサシです。私たちがそのゴミのモノサシを気にする必要などありません。
★これからあなたは、誰のどんな声を聞き、誰のどんな声には耳をふさぐかという選別をしていかなくてはなりません。他人の発言を「なりたい自分」のゴールを基準に選別し、たとえ耳を傾けたとしても、マイナスの自己対話をしないように。もちろん、メディアなどから垂れ流される刷り込みの情報も、「なりたい自分」「やりたいこと」を基準に選別していくことになります。「こうありたい」という「未来の自分」のゴールに意味のある意見、情報、物は取り入れ、未来の自分にとって無意味な情報は放っておく。「なりたい自分の未来の姿」「心から望むゴール」と関係のない情報はすべてゴミです。そして忘れてはいけないのは、最大のドリーム・キラーは自分自身だということ。ネガティブな自己対話が、あなたの頭のゴミを増やし、あなたの夢を潰す、最大のドリーム・キラーです。自己対話をネガティブからポジティブへと変えていけば、自己評価が上がり、自己イメージとブリーフがよい方へと変わり、高いエフィカシーを維持できます。そして、心から望むゴールを実現できるあなたへと変わっていくのです。
②感情は娯楽だと俯瞰して捉える
★生命の危険にさらされている環境にいるなら、「危険だ!」「怖い!」という情動は生命維持のために重要です。「怒り」の感情も、種の保存のために役立ったかもしれません。しかし現代の私たちの感情の動きは、生命の維持とはなんの関係もありません。生命維持において、もはや感情は必要ではないのです。必要ではないが、あってもよいものを「娯楽」といいます。現代の私たちにとって、感情は実は娯楽なのです。
★面白い小説を読んで感じる「楽しい」「嬉しい」は、娯楽です。また、悲しい映画を観て「泣く」というのも娯楽です。切ない歌を聴いて胸がキュンとするのも娯楽。私が説明するまでもなく、私たちは感情の動きを日々娯楽として楽しんでいます。ところが、実生活で悲しい映画の中のような出来事が現実にあると、私たちは娯楽にできません。マイナスの感情に振り回されてしまいます。しかし、その感情には、原始時代の「怖い!」のような重要性はありません。「腹が立った」「嫉妬する」「後悔する」などの感情は、生きる上でマイナスにこそなれ、プラスにはならないのです。
★悲しさや寂しさなどの感情が湧くのは人間として自然なことです。ただし、その感情に振り回されずに、「悲しさも人生の味わいのうち」と、娯楽として味わえばよいのです。娯楽として味わっておけば、振り回されることはありません。感情を娯楽として味わうという時点で、すでに抽象度が上がっているからです。
★「食えなくなる」という不安は多くの人にとって非常に強い恐怖のようですね。「働かないと、食えなくなる。だから、食うために、働く」というループに、多くの人が封殺されています。「食えなくなる」ことへの恐怖は、ある意味では人類の歴史を通して刷り込まれてきたといえます。いつ類人猿が人類になったのかにはいくつかの説がありますが、人類誕生が600万年前だとして、人類が農耕を始めたのは1万年前。農耕を始めてからはある程度安定的に食糧を収穫できたとしても、その期間は人類の歴史からいえば、つい最近のこと。600万年の歴史のほとんどを、人類は飢餓への恐怖と共に生きてきました。その飢餓への恐怖が、脳の大脳辺縁系の扁桃体に刻まれていると考えられます。
★現代の人々が頭を曇らせている恐怖の99パーセントが、「うまくいかなかったらどうしよう」「怒られたらどうしよう」というような、「感じても意味のない恐怖」です。この種の恐怖を消す方法は単純です。いたずらにおびえるのをやめて、恐怖の原因を消すために行動する。やるべきことをやった後は淡々と結果を待つ。それでも「怒られる」というような結果になれば、その場で適切に対処する。つまり、恐怖の感情に振り回されるのではく、原因を消すために頭と体を使う。それが「感じても意味のない恐怖」を消す方法です。
③ゴールを現状の外に設定する
★あなたがこれまで溜めてきた頭のゴミを捨て、スッキリしたクリアな新しい自分で生きていきたいのなら、ゴールは現状の外に設定しなくてはなりません。現状の外に設定することによって、そのゴールに向かってホメオスタシスが働き、コンフォート・ゾーンが移動するからです。
★現状の外にゴールを設定するなら、ゴール側にコンフォート・ゾーンがずれ、スコトーマがはずれ、それまでは見えていなかった道筋と方法がバーンと浮かび上がってきます。これは真に鮮やかでワクワクするような体験です。
★ゴールを達成するのに必要なコンフォート・ゾーンの世界を臨場感を持ってイメージするなら、あなたの脳はそのイメージの世界を現実だと判断します。そして新たなコンフォート・ゾーンのイメージに対してホメオスタシスのフィードバックを働かせます。
★ゴールまでの明確なルートマップを作成できるということは、そのゴールが現状の延長線上にあるということ。そのゴールはあなたを変えることはありません。現状の外側のゴールに向かって踏みだそうとするからこそ、ホメオスタシスのフィードバックが変わり、あなたの未来が変わるのです。ですから、慎重すぎる人は現状の外に出られないことになります。
★「ゴール」と「現状の自我」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けることで、現状の自我が認識できる部分情報とゴールの世界(全体)との間に双方向性が働いてゲシュタルトがつくられます。双方向性が働いて1個のゲシュタルトができるということは、その橋が架けられた状態がコンフォート・ゾーンになる。つまりそのゲシュタルトにホメオスタシスが働くということです。そうなればしめたもの、体の各部位や体全体が連動して展開することで歩行が実現するように、今の自分(部分)となりたい自分(全体)が双方向的に関わり合い一つの大きなフレームを瞬時につくり上げることができます。ゴールが見えなくても関係ありません。むしろ、ゴールが見えない方が、このプロセスの中でスコトーマがはずれ、ゴールに有用なものがどんどん現れ、ゲシュタルトがより強固になる。結果いつのまにか現状の外にある抽象度の高いゴールが叶うのです。これが、現状の外のゴールが叶うメカニズムです。