ミハイ・チクセントミハイ著『フロー体験入門 楽しみと創造の心理学』

8冊目に紹介する本は、ミハイ・チクセントミハイさんの『フロー体験入門 楽しみと創造の心理学』です。

チクセントミハイさんはアメリカの心理学者で、「フロー理論」で有名です。この本では、フロー理論についてたくさんの例をあげながら、分かりやすく説明されています。

フローとは、目の前のタスク(仕事・スポーツ・芸術活動など)に時間を忘れるほど夢中になり、高いパフォーマンスを発揮している状態のことです。

そしてフローに入るためには、「タスクの難易度」と「自分のスキル」が、高いレベルでバランスしている必要があります。(当記事下の写真2枚目・3枚目の図で見ると分かり易いです。)

これがバランスを崩して、タスクの難易度の方が自分のスキルより高いとき、人は「不安」になります。逆に自分のスキルの方がタスクの難易度より高いときは「退屈」になります。

仕事があまり面白くないとモヤモヤしているときは、だいたい「退屈」か「不安」エリアに入っているそうです。

そこで、タスクの難易度を調整したり、自分のスキルを上げたりすると、「フロー」エリアに入ることができます。

タスクの難易度と自分のスキルは、常に変化するダイナミックな関係なので、フローを体験し続けるためには、その関係を主体的に変えていくことが大切だと書かれています。

6冊目に紹介した『組織にいながら、自由に働く』の仲山進也さんもフロー理論が好きで、職場全体の仕事のパフォーマンスを上げるには、上司と部下がたまにフロー図を使って面談し、「いま自分(部下)は、どのエリアにいるか」「どんなサポートがあれば、またどんな努力をすれば、スキルを上げてフローに入れるか」「どんな目標設定や仕事の組み替えをすれば、仕事の難易度を調整してフローに入れるか」など擦り合わせをすればいいと提案しています。これはすごくいいアイデアだと思います。

この本では、「テレビなどの受身的レジャーに費やす時間が多い人は、フローを体験しにくい」「読書・スポーツ・楽器演奏などの積極的レジャーが好きな人は、フローを体験しやすい」という興味深い研究成果も書かれていました。

仕事にも趣味にも夢中になるヒントが満載の本でした。オススメです!

※写真3枚目は仲山進也さんがアレンジしたフロー図