【本】ちきりん著『未来の働き方を考えよう』~いろんな気づきが得られる本~

社会派ブロガーの「ちきりん」さんが書いた『未来の働き方を考えよう』という本を読みました。

この本を読んで得た大きな気づきは、

1.ストック型資産よりフロー型資産
2.人生の有限感を意識して、今を生きること

が大切だということです。

この他にも多くのおもしろい発見があり、考えさせられる本でした。

ちきりんさんの本やブログは、知識を得るだけではなく、自分で考えるきっかけをもらえるので、すごく良いです。

オススメの一冊です。以下、特によかったところを抜粋して紹介したいと思います。

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる (文春文庫)

★これまでは、お金にしろ人的ネットワークにしろ、過去に貯めたものの多さ(=ストックの量)が人生の豊かさを規定していました。だからみんな必死で働き、頑張ってストックを増やそうとしてきました。

でも100歳まで生きるかもしれない時代に、過去に貯めた資産を後生大事に握りしめ、資産が減らないか、これで十分か、と心配しながら生きる人生は、楽しいものではありません。そうではなく、組織を離れても稼げる力や、年齢を重ねても新しいものに挑戦できる好奇心や前向きな姿勢、見知らぬ人とも良好な関係を築ける人付き合いの能力などが、人生の豊かさを決めていくのです。

★尋常じゃないレベルの働き方をしている人、自分のやりたいことに迷いのない人、徹底的にしがらみのない人には、人生の有限感を意識している人が多いのです。逆説的な言い方だけれど、彼らはくだらない不安を持ちません。

普通の人はいろんなことが不安で、人生にやたらと保険をかけます。「こんなことをしたら収入が減るのではないか」、「こんなことをしたら友だちに嫌われるのではないか」などと考え、思い切った決断ができません。常にブレーキに足をかけ、アクセルを全開にせずに人生を運転します。進みたい道があっても、よくわからない道、地図に載っていない道には足を踏み入れない。「危ないかもしれない」からです。

普通の人がそういう不安に怯えるのは、本当の不安を知らないからでしょう。本当の不安とは、人生が終わるという瞬間が、明日にでもやってくるかもしれない、ということです。それにくらべれば、その他の不安など質的に全く及ばないところにあります。だから死の意識や人生の有限感をもつ人は、それ以外の細かい不安に怯えません。最も大事なのは何なのかが、わかってくるからです。

★私は30代後半以降、常に「人生はあと10年」という前提をおいて、キャリア設計や働き方のコントロールをするようになりました。10年後に人生が終わっても、後悔しない、本当に楽しい人生だった、やりたいことはすべてできたと思える生き方をしようと決めたのです。

そう考えると、いくつかの思い切った決断ができました。自分と家族の時間の優先順位を上げ、仕事の優先順位を下げました。仕事の中では、個人として興味のあることをより純粋に追求するため、会社を辞めました。老後のための資産形成に関心が薄れ、死ぬまでにぜひ体験したいと思っていたことに、思い切ってお金を使うようになりました。忙しくてなかなか会えなかった友人とも、仕事をセーブしてでも会うようになりました。

いつ「もう長く生きられません」と言われても、一通り取り乱し、泣き叫んだ後には、「でも、私はやりたいことを全部やってきた。後悔することはない」と確信できる生き方がしたいと思うのです。