2冊目は浅田次郎の『終わらざる夏』。
7年前、職場の尊敬する上司が「これ読みなよ」と貸してくれました。
「戦争」を描いた作品なのですが、これほど戦争の不条理をあらゆる角度から描き出した小説は読んだことがありません。たとえば召集令状(赤紙)を受け取る人を描く作品は多いけれど、この本ではそれを発行する役人の苦悩も描かれています。「世の中のことはすべて同じ人間が回している」という事実に気づかせてくれます。
今では物語の詳細まではあまり覚えていないのですが、戦争などの不条理に対する「文化の力」も深く描かれていて、読んだときの感動は今も残っています。
上中下の3巻あります。また読み返したいと思います。
