精神科医・樺沢紫苑さんの『脳を最適化すれば能力は2倍になる』は、脳科学・心理学の知見と、著者・樺沢さんの実践を元に書かれており、すごく参考になる本でした。
「今を生きる」「遊びに全力を尽くす」「映画を観て共感力をトレーニングする」「睡眠を大切にする」「午前中は論理的作業、午後は創造的作業に時間を使う」「仕事で何かを頼まれたら喜んでする」など、実践してみたいことがたくさんありました。
以下、良かったところを紹介したいと思います。
★10年、20年という努力の先に、幸せがあるのではありません。その努力の階段を上り続けている『今』が、実は一番幸せなのです。毎日の仕事の中で、自らのワクワクする瞬間にフォーカスし、自らのポテンシャルを高める目標を設定し、自己成長の階段を上り始めましょう。
★一流の仕事人は一流の趣味人です。仕事だけを頑張るのではなく、オフの時間に仕事以外の『遊び』や『趣味』に一生懸命になる。その切り替え。そして、仕事以外の『オフ』の時間の良質なインプットが、結果として発想力や活力として生かされます。
★2時間前後のまとまった時間で、登場人物の心理をしっかりと描き込み、感情移入も感動もしやすい『映画』は、共感力トレーニングの方法としてオススメです。
★パワフルに活動する人とそうでない人の一番の違いは、私は『睡眠』だと思います。昼間パワフルに活動する。でも、夜はきちんと深い睡眠がとれているので、昼間の疲れを完全回復できる。結果として、毎日パワフルに活動できるのです。
★午前中には『論理的作業』に重点をおき、午後からはアセチルコリンが活躍する『創造的作業』に重点をおいてみてください。これによって、あなたの仕事効率は飛躍的に向上するはずです。
★エンドルフィンは幸せ感を与えてくれます。脳を休め、注意・集中力、記憶力、創造性など、多くの脳機能を高めてくれます。瞑想や座禅をすると、きれいなアルファ波が出ます。瞑想の状態というのは、心は平静で静まり返った状態でありながら、集中力や注意力は高まって意識は研ぎ澄まされ、ときに素晴らしいアイデアが生まれたりします。それこそが、エンドルフィンが出ている一つのイメージであり、エンドルフィンによる癒し効果と脳の活性化効果が得られた状態、と言えると思います。また、エンドルフィンは心を休める効果のみならず、免疫力を高め、身体の修復力を高める効果もあります。さらに癌と戦う免疫機能を担う『NK活性』を高めるという作用もあり、抗癌作用も確認されています。
★仕事を頼まれた時に『喜んで』するというのは、脳内物質仕事術的にも正しい対応と言えます。何か仕事を頼まれたときに、それを感謝の気持ちとともに『喜んで』受けるとエンドルフィンやドーパミンが分泌されるからです。エンドルフィンはドーパミンの作用を増強しますから、両者が一緒に出るとモチベーションも大幅アップし、意欲的に楽しく仕事ができるというわけです。集中力も高まり、作業効率もアップしますから、同じ仕事を短時間で終了できるだけではなく、仕事の質も高まります。よい成果を収めることができるのです。
脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法