【感想】勝間和代著『勝間式超コントロール思考』

こんにちは、1ヶ月ぶりのブログ更新です。

最近、『勝間式超コントロール思考』という本を読んだのですが、すごく気づきが多い本だったので、ご紹介したいと思います。

著者は経済評論家の勝間和代さんです。マッキンゼーなどの外資系企業で活躍された論理思考の持ち主で、最近は著述活動にくわえて、Youtubeでも面白い視点で情報発信をされています。

本書のタイトルは『勝間式超コントロール思考』です。「コントロール」という言葉はネガティブに聞こえるかもしれませんが、勝間さんがいうコントロールとは「主体的に生きる」ということです。けっして人をコントロールするということではなく、自らの仕事、時間、家事、人間関係、お金、健康、趣味などを最適化し、自分の環境に働きかけながら、主体的に生きていくということです。

僕が本書を読んで得た学びは、主に次の3つです。

①貪欲に知識を得ることの大切さ。世の中の枠組みについての知識を得ることで、自分の前に広がる選択肢に気づくことができる。

②社会のさまざまな枠組みは、すべて人間が設計し、管理し、運営しているものなので、不変だと思わず働きかけていくことが大切だということ。変化すべきと思うことがあれば、市民、消費者、会社員として、しっかりフィードバックして働きかけていく。

③さまざまなことについてコントロールする力を持つためには、余裕が大切だということ。時間やお金の余裕を持つこと。睡眠をたっぷりとることで気持ちにも余裕を持つこと。

これら3つを、これから実践していこうと思います。

以下、少し長いですが、本書の中でエッセンスであると思った箇所を抜粋してご紹介します。最後の章「娯楽をコントロールする」は特にワクワクする内容で、勝間さんの遊び方をモデリングしていきたいと思いました。

★「コントロールする」ということは、「受け身的に生きるのではなく、自分が主役となって主体的に生き、そして、環境や周りに働きかける」ということになります。
 では、どうやって主体的に生き、色々なものごとをどうコントロールすれば良いのでしょうか?
 それには次のようなことを求めて生きる姿勢と、目的達成まで試行錯誤を常に行う覚悟が必要です。

 ・自分のストレスや問題意識に気づく
 ・さまざまな世の中の枠組みについて当たり前と思わずに、それを疑ってみる
 ・自分の力だけでできることは少ないので、色々な人と協力体制を組む習慣とそのスキルを身に付ける
 ・様々な選択肢や解決方法を知る

 心理学用語では、自分が周りに働きかけられるという気持ちについて
 「自己効力感」
 という表現を使います。
 自己効力感が高ければ高いほど、様々な物事に取り組む姿勢が積極的になり、何か壁に当たった時にもそれを乗り越える力が生まれます。(3ページ)

★「人並みにできる」か「人並み以上にできる」かというところが、仕事上では格段に大きな差となります。「人並みにできる」だけでは、残念ながらビジネスにおいて重宝されないうえ、大したお金にはなりません。
 「人並み以上にできる」となって、初めて資本主義社会においてその能力をお金に変えることができるのです。(19ページ)

★自分の能力の凹凸は基本的に生涯変わりません。突出しているところは磨けば非常に伸びますし、へこんでいるところは頑張って磨いたとしてもせいぜい人並みくらいーーー人よりややへこでしまって当たり前、と考える必要があります。(21ページ)

★ぜひ、これからやってほしいのは
・心から信頼している相手に対しては、感謝し、しっかりとそのことを言葉や行動で相手に伝え続ける
・不快だと思っている相手に対しては、自分の要望をしっかりと伝えて、もしその要望が受け入れられない場合には静かに距離を取る
というメリハリをつけることです。(28ページ)

★自分の職場や家庭においては例外なく「自分の人間関係を自分でデザインする」という発想は欠かせません。
 この人間関係のデザイン力がないと陥るのが「本当に大事にしなければいけない人にあまり手間暇をかけない一方、不快な人に対してばかり自分のリソースを使い過ぎるという状態です。
 本来はそのリソース配分が逆であるべきなのに、デザイン力がないと望ましくない状態へ逆転してしまうのです。(31ページ)

★コントロールを不能にする意外な伏兵が「余裕のなさ」です。
 それを裏付けるのがハーバード大学の行動経済学専門家、センディル・ムッライナタン教授の研究の中から見いだされた「スラック(余裕)の重要性」です。
 この研究の中では、適度な余裕が気持ちにも時間にもお金にもないとさまざまなことについてコントロールがうまくいかなくなる上、頭も悪くなるという衝撃の成果がまとまっています。
 つまり、わたしたちはスラックがあることで、さまざまな見込み違いや、新しく起きた出来事に対して、コントロールする力をある程度持ち続けることができるのです。(37ページ)

★インターネットの出現がもたらした最も素晴らしい変化は、わたしたちの知識や情報源、就職先や取引先、人間関係など、ありとあらゆる私たちの行動について選択肢が広がったことです。(44ページ)

★世の中の仕組みについて知識を仕入れると、自分の選択肢はその分、広がります。(49ページ)

★個々人では、世の中に数限りなく存在するさまざまな仕組みやメカニズムを解析することは難しいでしょう。だからこそ、インターネットや書籍を通じて知識を得続けることが重要です。
 コントロールの基盤には、情報収集に対する貪欲さが存在しているのです。(49ページ)

★現代の日本では、加齢は老化と同一視され、ネガティブなことと捉えられがちですが、情報を収集して知識を獲得し、選択肢を広げていくことによって、わたしたちは年々「コントロールできることがどんどん積み上がっていく」という超ポジティブな面があります。
 超コントロール思考においては、加齢は「老化」ではなく「進化」です。(60ページ)

★「わたしたちが思っているよりもずっと世の中は柔軟で、意外と結構な範囲までコントロールができる」ということを、経験から学習していってください。
 この社会にあるすべてのことは、わたしたち人間が設計し、管理し、決めていることですから、人間が決めていることに関しては、根本的には変えられないことなど、実はほとんどないのです。(61ページ)

★予防医療は、自分がこれから生きる数十年を一番楽にしてくれます。不調が病気になる前に、さっさと予防医療を受けて解決することが、健康に関する最適なコントロール法になります。
 お酒、たばこ、砂糖、睡眠不足を排除し、予防のために歯科にかかり、その他で不調を感じたらすぐ専門医にかかる。
 繰り返しますが、それが一番自分自身にとって楽になる方法です。(177ページ)

★わたしたちは社会の中で、自分たちの生活を支えるためにお互いに分業して、それぞれ仕事をしているはずです。ところが、いつの間にか優先順位が仕事の方が上になってしまって、自分たちの生活がおろそかになってしまっています。
 しかし、最終的には衣食住をはじめとしたわたしたちの生活を人生の中で充実させるための仕事であり、そのための製品やサービスの供給なはずなのです。
 つまり、仕事をすること自体が目的ではなく、仕事によって形になった製品やサービスでより生活を豊かにして、幸せになることが目的です。(223ページ)

★お金や時間がないと遊べない、というのは間違いです。
 遊ぶと決めたら、そこに対していろいろな方法を調べてみれば、お金や時間にそれほど余裕がなくても、良い解決法が見えてきます。
 仕事ばっかりしていると、どんどん頭が「仕事脳」になってしまいます。すると、一つの枠内に凝り固まった考え方になってしまいます。これをわたしは危険だと思っているので、なるべく娯楽をちりばめたいのです。(257ページ)

★自宅でも友人を大勢招いて、合宿のようなイベントをよくやっています。プレイステーション4でカラオケをしたり、リビングに置いてある卓球台やけん玉で体を動かしたり、ボードゲームや麻雀をしたり。おなかがすいたら、わたしがロジカル調理で作った料理をお腹いっぱい食べたり。最近のカラオケは音楽を呼び出すプレイステーションの性能が素晴らしく上がっているので、お店のカラオケと比べて遜色のないレベルの画像と音声が楽しめます。採点機能もあるので、同じ曲を皆で歌って得点を競い合うのも楽しい体験です。
 友人たちはわが家のこのイベントを
「大人の児童館」
 と呼んでくれています。丸1日遊び続けて、それでも「ずっと帰りたくない」と言ってくれるほど、楽しい遊びの時間です。
 こうした遊びのなかで、ぜひ皆さんにも実感してほしいのが「お酒がなくても娯楽が充実してれば十分に楽しい」ということなのです。
 大人が複数人集まる場には、必ずと言っていいほどお酒があります。でも、第3章でもお伝えしたように、わたしは自分の健康とコントロール権を失うお酒は好みません。気の合う仲間と共通の趣味があれば、お酒はまったく要らないどころか、飲まない方が人生は素晴らしく快適になるということを知ってほしいと強く思います。(269ページ)

★娯楽というとどうしても仕事の合間に楽しむもの、しかも旅行やゴルフなどはある程度お金や時間に余裕がある人のぜいたくだと思われがちですが、そうではなくて、初めからどういう娯楽をしようかということを計画し、そして自分ができる時間や予算の範囲でできることをコントロールしていけばいろいろな娯楽は手に入ります。
 よく「リア充」という表現で、娯楽を楽しんでいる人たちを揶揄したりしますが、わたしは娯楽は仕事と同じぐらい大切なものだと思っています。娯楽の時間があるからこそ、仕事も楽しいし、そして仕事をした後にまた娯楽をするといった形でお互いに仕事と娯楽が時間を引き立て合い、それぞれの時間を輝かせることができるからです。(272ページ)

抜粋は以上です。興味を持たれた方は、ぜひ『勝間式超コントロール思考』を手に取ってみてくださいね。

それでは。