【旅】インド・カンプールで10日間のヴィパッサナー瞑想体験!

2019年12月20日から10日間、インド北部の小さな都市カンプールにて、10日間のヴィパッサナー瞑想コースを体験してきましたので、その時の様子をリポートしたいと思います。

ヴィパッサナー瞑想とは、「物事をあるがまま見る」ことを目指す瞑想法で、釈尊が2500年前に悟ったときに修行していた瞑想法と言われています。

『サピエンス全史』で有名なユヴァル・ノア・ハラリさんが18年間実践していることを知って興味を持ち、時間がたっぷりある世界一周中にやってみようということで行ってきました。

12月20日、カンプール空港からタクシーで20分ほど田舎道を走ると、Dhamma Kalyana Vipassana Meditation Centreに着きました。(Google Mapでは、カンプールの市街地にも瞑想センターがあるように表示されますが、実際にあるのは市街地から20キロほど離れたガンジス川沿いです)

瞑想センター
宿舎
カンプールの瞑想センターは1人部屋でした。僕たちがカンプールを選んだ大きな理由です。綺麗な部屋でした。蚊帳がありました。
部屋のバスルームではホットシャワーは出ませんでした。毎朝ドラム缶で沸かしたお湯を皆バケツでくんでシャワーを浴びます。トイレにはトイレットペーパーがついていませんでした。スタッフの人に相談すると150ルピーで5つのロールをいただけました。
浄水機

10日間のコース中、スマホは預けなければならず、話すこと、書くこと、読むこと、さらに他の参加者とのアイコンタクトすらも禁止されます。到着した日にスマホは預けました。

また、男女は隔離されますので、奥さんとは10日間別々でした。

瞑想のスケジュールは、全世界のゴエンカ式ヴィパッサナー瞑想センター共通なのですが、超ハードでした。朝4時に起きてから夜9時半に寝るまで、9時間ほどひたすら瞑想します。瞑想中居眠りする人が多かったので、もうちょっと睡眠を大切にしたスケジュールにした方がいいのでは?と思いました。(笑)

タイトなスケジュール

ほとんどの時間はホールで他の参加者と一緒に瞑想します。

驚いたのが、インド人の、特におっちゃんおばちゃん世代は、瞑想中にオナラやゲップをしまくること。(笑)上から下から空気を爆発させていました。10秒として静寂な時間が保たれることはありませんでしたが、僕はこれも修行と思い、自分の瞑想に集中するように努めました。

瞑想ホール

このセンターは、コースを体験した人の寄付によって運営されています。そのため参加費は必要ありません。すごくクリーンに運営されているなぁと感心しました。僕たちもコース終了後に寄付させていただきました。

さて瞑想の中身ですが、10日間のうち、最初の3日半は、自分の呼吸を観察します。そして残りの日数は、頭のてっぺんから、足の爪先まで、順番に意識を移動させながら、そこに起こる感覚を観察します。

大切なことは、それが不快な感覚であっても反応せず、冷静に客観的に観察することとの事でした。

1日に3回あるグループ瞑想の時間には、1時間の瞑想中体を動かすことも目を開けることも許されず、ひたすら瞑想に集中するよう指導されました。

実際1時間も動かずに座っていると、おしりや足にかなりの痛みを感じます。それを客観的に観察するのはめちゃくちゃ難しく感じました。

毎晩1時間半ほど、瞑想のやり方や、それに関わる釈尊の話などの講話を1時間半ほど聴く時間があります。外国人は、それぞれの言語で講話を聴くことができるようになっていました。今回は僕たち日本人の他に、フランスとイスラエルから参加者がおり、それぞれの言語で講話を聴いていました。

その講話の中で「なるほどなぁ」と思ったこと、学んだことを後で思い返してメモしました↓

・ヴィパッサナー瞑想では、精神と肉体の真実を理解する上で、体に感じる感覚を大切にしている。

・表面意識とは違い、深層意識は寝ている間も働いており、それは身体中の感覚と繋がっている。寝ている間にも不快な感覚を感じて寝返りを打つのはこのため。このように、深層意識では常に体に起こる感覚に反応している。

・人は無意識に、不快な感覚には反発して嫌悪し、逆に快感には執着し、それを渇望する。この嫌悪と渇望から苦しみが生じる。

・嫌悪や渇望は、実は無意識に体に起こっている感覚に反応して生じている。

・嫌悪や渇望などの感情を抱くとき、体には何らかの感覚も生じている。感情をコントロールしようとしても、感情を客観的に見ることはできないので難しい。そこでヴィパッサナー瞑想では、より深い深層意識と繋がっている感覚を客観的に観察することによって、平静な心を養おうとする。

・瞑想中、体に感じる不快な感覚を客観的に観察することが大切

10日間のコースを経て、少しは反応的にならずに平静に生きる術を学べたかと思います。少しは自分を客観的に見ることができるようになりました。これは確かに「物事をあるがまま見る」瞑想法だなぁと感じました。

また、スマホや人と話すことが禁じられていたおかげで、たっぷりある時間に今までの人生についてじっくり振り返ったり、これからの人生についてゆっくり考えたりできたのが、すごくよかったです。デジタルデトックスもできました。

10日目にはスマホが返却され、他の参加者と会話することも解禁されました。みんな自然に笑顔になり、すごくたくさん話しました。普通に人と話せることをこんなに幸せに感じるとは。。

今回男性が90人、女性が30人で計120人がほど参加していました。外国人は4人(日本人2、フランス人1、イスラエル人1。フランス人もイスラエル人も旅行中でした)で、残りはインド人。インド人は学生や会社員、登山家、リタイヤしたおじいちゃんなどいろんな人がいました。学生が特に多かった印象です。

センターの食事については、予想していたよりはるかに美味しくて驚きました。

朝はジャムと食パン、おかゆ、イドゥリなどのインド料理(日替わり)、フルーツ、ミルクティー、ミルクとめちゃ豪華でした。

昼はロティ、カレー(日替わり)ジャガイモ、豆など。

夜は食事は出ず、17時からのティータイムのみです。バナナとお菓子、ミルクティー、ブラックティーでした。

ベジタリアンフードで、夜も軽めでしたが、空腹を感じることはありませんでした。逆に体が健康的で軽くなったように感じました。

10日目のティータイム

ヴィパッサナー瞑想、想像以上に面白く学びのある体験になりました。瞑想中にクリスマスも過ぎ、いつの間にか大晦日になっていて驚きましたが、本当に参加してよかったなと思います。

ヴィパッサナー瞑想センターは日本にも京都と千葉にあるようです。

一度経験してみることをオススメします!